中型、大型車の教習や検定結果から、『場内コースの特徴を踏まえた指導方法』『路端における停止及び発進』『隘路の通行及び切り返し』『方向変換』について、指導員の指導力不足により、教習生にルールを誤って理解させていることが意外に多くある。結果、誤った方法で課題を実施し、場合によっては検定中止事項に該当してしまう。適切に指導する方法として、下記の内容を熟知し、教習で活用すること。
① iPadによる教材(動画)の活用
・路端への停止と発進
・隘路の通行及び切り返し
・中型のSコースの走行軌跡
・オーバーハング
② 障害物を側方通過する場合の進路のとりかた
・2番を右折するための車線に進入しないこと
③ 大型車の方向変換の位置づけ
・左バックにおいて、前進での位置づけを内周の直線部分まで進入させる方式と、進入せずに直線路の手前で停車する方式が併存している。これまでは手前で停車する方式で統一されていたが、現実には難易度が高く、進入させる方式が教習生にとって容易となる場合が多い。故に今後はどちらも可とする。
今回の内容で、私自身が強く感じるのは、『路端における停止及び発進』、『隘路』を指導する場合の通過方法及びルールを確実に指導し、理解していただくことの難しさである。比較的複雑な内容であるものの、理解させることが出来るかは指導員の責任であり、真の指導力が問われる。教材を用いての説明は教習生のみならず、指導員においても説明しやすく、理解されやすいので、十分活用するべきである。
私自身、『今まで絶対に間違いない』と疑いもしなかったことが、『実は間違っている』と研修で分かったことが何度となくある。例えば、右左折する場合の合図は30m手前の地点、進路変更する場合は進路を変える約3秒前と決まっているものの、場内コースでは距離や形に制約があり、規定通りには合図を出せないことが多い。このため、指導を統一しないと指導員それぞれの主観で指導してしまうことになり、教習生には甚だ迷惑な話であるが、これを私は誤ったまま指導していたことがあり、過去に実施した研修を通じ自分の間違いを発見することが出来た。また、道路交通法は頻繁に改正があり、これに伴って指導内容も変更する必要がある。これについては研修を通じ学んだおかげで誤った解釈はしていなかったものの、この研修がなければ間違っていたであろう。
今回の課題については内容が複雑であるため、指導員も間違った理解があるかもしれない。また、他車種の資格を取って間もない比較的経験の浅い指導員も多いことから、教習に関する研修は大変意義深いものである。
今後も定期的に研修を実施することで、知識やルールを再確認し、指導内容の理解度を深め、教習生の方に満足、納得していただけるよう、指導員一同努力していきたい。